The fall is forest vol.40




アタシは「あおい」。
下の世界から来たの。大冒険スペクタクルよ。

で、彼は「森の意思」。名前は「モリラ」。
ということになるわね。
ま、アタシはわかってたけどね。なぜかって?
フンイキよフンイキ!

そこにいるんだか、いないんだか、
それすらもはっきりとしないような虚脱に見舞われていたみたい。
ぼーっとしちゃってた。

そんな彼を尻目に、オオキマモルとかいうそいつは、
アタシたちの方に全く足音を立てず毅然とした面持ちで、
滑らかに近づいてきたの。
アタシたちの前に姿を現した時の空回りしていた様子は
もはや微塵もなく。




「さて、あなたたち、帰りたいということですが、
残念ながらあなたたちが乗ってきた船はもうありません。」


「ないってどうゆうことよ!?」


「破損がひどく修復は不可能、また、
この森全体のサイクルに組み込むことも不可能でしたので
私が処分しておきました。断りなく処分したことに対し、
あなたたちはご不満かと思いますが、
あなたたちは純粋な好奇心とはいえ、秩序を守らずこの森に接近し、
森の一部を傷つけたのです。どうか納得してください。」



「うん。わかった。」
「まーしょうがないわ。と言うよりむしろ、ごめんなさいね。」
「…じゃ、帰れないのか…。」


「いいえ、帰れます。船は必要ありません。
あなたのチカラを使うのです。失礼。」





そこまで話すと、オオキマモルは片手で素早く
アタシの耳を掴んで持ち上げたかと思うと、
ひっくり返して、今度は両耳を握り締めたの。

アタシは突然逆さまにひっくり返されて、
「ありゃ?」と一言だけ発して、きょとんとしたわ。
そりゃそうでしょ。
両耳を握り締められるなんて、そうそうないもの。


「ちょ、ちょっと!!何すんの!?」
「手荒な真似しないでよ!!」


他の二人は慌てて止めようとしてくれたけど、
オオキマモルは至って冷静で自信満々なカンジよ。
アタシもそのままきょとんとしちゃってて、
抵抗もクソもないわけ。


すると、「今から集中しますから、静かに。」


そう言って、オオキマモルは黙りこんだわ。


唐突で不可解なそいつの行動に取り残されたふたりは、
不満と不安で大いにプンスカなわけだけど、
その後すぐアタシに起こったことを目の当たりにして、
ビビったのかぐうの音も出なかったのよ。フフッ

何だかねー、気持ち良かったのよ。
お風呂に入ってるみたいで。
じんわりぽかぽかするカンジ。
こりゃ癒されるわー。つって。


アタシは「あおい」。
下の世界から来たの。大冒険スペクタクルなわけ。
photo by eena x exsoup
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