The fall is forest vol.38




「オホンッ えー、改めまして、私、オオキマモルと申しまして、
この『いちばんおおきな木』を護ることを主とし、
その他、森で起こる様々な問題を解決することが役目の者でございます。」

木の上から下りてきたそいつは、一拍も置かずに自己紹介を始めた。
言うことを一語一句決めていて、早く終わらせたいのだろうか。
僕も含め、そこに居合わせた連中の間など、全く気にしていない様子。
なので、ほとんど聞き逃したが、名前は「オオキマモル」だそうだ。


四、五秒ほどの気まずい沈黙の後、
森に穴を開けたヤツラの青くて四角くて小さい変なヤツが喋りだした。

「あのさあ、あんた神様?
神様じゃなくてもそんなカンジのやつ?
アタシたちさー、困ってんのよねー。もうずっと。
この森に船で突入?つかホントは突入じゃなくて不時着?
のはずだったんだけど、『森』に邪魔されて船ぶっ壊されて?
結果突入的な?しかも船ぶっ壊れてってから帰れないじゃんて。
で、あいつ、イモ野郎、じゃなくてモリラ?
あいつ、実は『森』でしょ?
アタシたちが来たことが原因かもしれないけど、
あんなんなっちゃって。
帰れってんなら帰るけどさあ、船ぶっ壊れてっから帰れないし。
あいつ、ぶっ壊したクセに、もう忘れちゃってるから
言っても無駄でしょう?
で、あんたよ。
て言うのはさ、あんたあの時見てたよね?
しかも現場近くにそこのブルーノを使いに出してまで。
なんで見てて何もしなかったわけ?
何もしないなんてひどくない?
つか職務怠慢だよ。分かる?
分かったらさあ、早いとこあのモリラを『森』に戻して、
色々と思い出させて欲しいわけよ。
そしたらアタシたちの船も直してくれると思うんだよねー。
神様なんでしょ?
神様じゃなくてもそんなカンジのやつなんでしょ?
できる?できるよね?」



すごい早口だ。ブルーノはその話にウンウン頷いている。




「あ、あの、ええと、け、結論から申し上げますと
わ、私は神様じゃありません。えと…」

「いや論点そこじゃねーし。」


「ま、まだ喋ってんでしょうがぁ!!」


なんだか、やいのやいの言い合っている。
詳しくは解らないが、話には僕の名前が出てきていて、
僕を「今の僕になる前の僕」に戻そうってことみたい。
ピリーリが言っていたように、僕がそのことで色々と
思い出せるなら、僕もそうして欲しい。
こんな森の奥まで、僕を連れてきたということは、
みんなもそう望んでいるということだ。



その時、ふと、ピリーリが居なくなっていることに僕は気がついた。

「ピリーリー!!」

大声で呼んだが、近くにはもう居ない。

「ピリーリーーー!!」






僕の名前は「モリラ」。
逆らえない流れのようなものを感じている。
photo by eena x exsoup
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