The fall is forest vol.36




僕の名前は「モリラ」。

もともとはピリーリを探していたんだの。
それで見晴しの良い『いちばんおおきな木』を目指したんだの。
でもピリーリにはもう会えたから、もう帰りたいんだのけど、
ピリーリも、「森に穴を開けたヤツラ」も、どうやらブルーノも、
僕をここに連れてきただの。『いちばんおおきな木』に。

これはボンヤリなんだけど、どうやら、
「今の僕になる前の僕」ってのがあったみたい。


ここに向かう途中、僕の身体はチカチカ、ミンミンしていたけど、
それもなんだか治まっている。なんだか、とっても静かだの。



「さあー着いた着いた。案外近かったわね。」
「そう?アタシなんて痩せちゃって長細くなっちゃったけど。」
「てめーはハナっから長細いわ!」


森に穴を開けたヤツラがやいのやいの言っている。



「よおブルーノ。で、アイツは?どこだ?コノヤロー。」
「そこに待機してますよ。なんか、登場のしかたこだわってるみたいで。ふぅ〜。」
「相変わらずめんどくせーヤツだな。」


ピリーリとブルーノも何か話してる。…アイツって?




それにしても大きい。この木はいつからこの森にあるのか。
そして、なぜ、あるのか。
僕の目の前に迫る、その姿、故の時の堆積、普遍の流れに圧倒され、
ただ、一言、つぶやいた。

「おおきいだの。」





「はぁーい!お呼びでしょうかぁー!?」
突然、甲高い声が。


その声の甲高さときたら、僕の感動を台無しにする興醒めなもので、
いや、僕以外のみんなも、一様に押し黙ってしまい、
ただ茫然と声のする方に目を向けた。

何か、いる。

何かいるが、その好奇心を消し去るほどに、
興醒めだったのだ。
その声の甲高さときたら。
photo by eena x exsoup
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