The fall is forest vol.33



降り立つと、辺りはやわらかくまばゆい光に覆われ、それは次第に
質量を帯び始める。


燕尾服に蝶ネクタイという出で立ち、逆光越しには丸メガネ、
その奥には黄みを帯びた瞳が妖しく光る。


襟を正すような仕草をした後、それは周囲の動植物、あるいは
その空間に対して、話を始めた。



あの方があのような御姿になってどのくらいの時間が
経ちましたでしょうか…。

原因となりました、異世界からの侵入者たち、彼らへの対処は
私の役割であったはずですが、あの方の急な意思と、

その意思によってもたらされた変貌に、私は何もできずに
ただ見入っておりました…。


その後、すぐに私が対処し、元の御姿に戻して差し上げようとも
思いましたが、あの方の変貌後のご様子が、とても幸せそうで、
しばらくご様子を伺っておりました…。

そうです。「このままで良いのではないか。」という判断でありました…。
この、「いちばんおおきな木」はもちろん、森全般に関する
トラブルの解決は当然、あの方の変貌前も、その後も、そしてこれからも、

私が一人で担っているのですから、あの方のほうから、ご要望がない限り、
見守ろうと判断した次第でございます…。

私も立場上、この場所からなかなか動けないものですから、あの方を近くで
見守るために、機動力と判断力に長けた者に何かあったらここに導くよう
お願い申しあげておきました…。ピリーリとブルーノでございます…。

もっとも、ブルーノはもともと下の世界ともつながっておりますから、
侵入者たちを監視する役割も兼ねておりました…。

侵入者に関してですが、どうやらこれは下の世界から本来の往来方法を
守らずにやってきたと見受けられます…。

しかし、本当にただそれだけのようで、とくに害はないと
いったところでしょう…。

彼らは下の世界から船のような乗り物を使って侵入したようですが、
このようなケースは初めてで、あの方が驚いて変貌されてしまったのも
頷けます…。


船で外側から突っ込むなんて信じられない…。


さて、どう対処したものか…。


侵入者たちは、あの方の力で船を直してもらおうといている。
しかし、あの方が元の御姿に戻っても、そういった力は無い…。

あの方は御自身のことを御知りになりたいだけ…。

私にできることと言ったら、あの方を元の御姿に戻すという
ことだけ…。その後はあの方次第でしょうな…。

しかしながら私もこの森で起きた問題の解決役。
ここに向かっている方々全員の話を聞いて、適宜対応いたしましょう!


しかし遅いでございますね。
まだ、でしょうか・・・。


私待つのが苦手なんでございますよ。
本来この「いちばんおおきな木」から離れちゃまずいのですが、
も、こうなったら私の方から向かうでございますよ!
photo by eena x exsoup
<< The Fall is Forest new item 2013☆ | main | The fall is forest vol.34 >>









このページの先頭へ